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足・足首の痛み

足・足首の症状

 

足・足首の症状の原因は多岐にわたります。

症状の原因を見つけ、患者さまお一人お一人の症状に合わせた治療を行います。

 

☑ ふくらはぎがつる

☑ 足の親指付け根の関節に痛みと変形がある

☑ 歩くときに、足のうら(かかとの部分)が痛い

☑ 足の親指の付け根が赤く腫れて激痛がある

☑ 靴を履くとかかとの後ろが痛い。仰向けで寝るとかかとが痛い。

☑ 足のゆび(とくに中指、くすり指)の感覚が無くなり、違和感がある

☑ 足の内側の出っ張った部分が痛い

☑ 立ったり歩いたりすると足の中の奥が痛いけれど、どこが痛いのか自分ではよく分からない

☑ 運動をすると外くるぶし付近が痛い

☑ つま先立ちをすると足の後ろが痛い。水泳のバタ足が痛い

☑ 足のうら全体が痺れて違和感がある。ビリビリ痛くて足を地面に着けない。

 

代表的な疾患
  1. 滑液包炎
  2. こむら返り
  3. 外反母趾
  4. 足底腱膜炎(足底筋膜炎)
  5. 痛風発作
  6. アキレス腱付着部症
  7. モートン病
  8. 外脛骨障害(有痛性外脛骨)
  9. 足根洞症候群
  10. 腓骨筋腱脱臼
  11. 三角骨障害
  12. 足根管症候群

滑液包炎

肘の伸側、股関節外側の大転子部、膝関節の前面、足関節の前外側などの皮下には滑液包という袋があって、わずかな液が貯留しクッションになっています。

この滑液包が機械的刺激や感染によって炎症を起こし痛みと腫れを生じることがあります。

感染でない場合は安静にしたり、液の穿刺を行ったり、圧迫包帯を行います。
液が溜まっていても心配はありませんから、放置してもかまいませんが、なるべくその部位に刺激を与えないようにしましょう。

感染の場合は切開し排膿する必要があります。
慢性化して何度も炎症を生じる場合は、手術で滑液包を切除します。

こむら返り

こむら返りとは、ふくらはぎの筋肉、すなわち腓腹筋がつる、けいれんを起こしている状態です。
同様の状態は、ふくらはぎだけでなく、太ももや手足の指、首などの筋肉にも起こります。

ありふれた現象ですが、実は原因はまだよくわかっていません。
痛みを伴い、ひどい場合には肉離れを来すこともあります。激しい運動の後で筋肉が過度に疲労したり、血行が悪くなったり、脱水などで電解質のバランスが悪くなったりして生じることもあります。夜間の睡眠中にもよく生じます。

糖尿病や肝硬変、腎不全、透析、甲状腺機能低下症などの病気、腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛が原因となりえます。

応急処置としては、つっている筋肉をゆっくり伸ばしていきます。
普段から、こむら返りを起こしやすい筋肉をストレッチしておくと予防になります。

薬物治療としては、漢方薬の芍薬甘草湯が有名です。
こむら返りが起こりそうなとき、たとえば寝る前に1包飲んでおく、スポーツの前に飲んでおくなど、予防的に服用できます。
こむら返りが生じている最中に服用しても、数十秒から数分以内で効いてきます。

外反母趾

外反母趾は、足の親指付け根の関節に痛みと変形が生じる女性に多い病気です。

靴が一番の原因です。特に女性の場合は先の細いパンプスでヒールが高ければ、足は靴の中で狭い先の方へずれて圧迫されます。そして親指は外反します。

また、若い頃は脚の縦と横のアーチが保たれていますが、中年以降は体重の増加や足底の筋力の低下などにより、扁平になると同時に足が横に広がり、このためさらに靴の中で圧迫を受けやすいのです。

外反母趾には予防が大切です。
恰好を気にしなくてもよいときはローヒールで先の広い靴を履くようにします。
また、すこし外反傾向があるときは、親指と2本目の指の間にはさむ装具を夜間だけでも装着すると外反変形の進行を防ぐ効果があります。

痛みを伴う場合には、装具に加えて消炎鎮痛剤の湿布やクリームを使いつつ、さらに足の甲を持ち上げて足の横広がりを強制するためのアーチサポートあるいはインソールを靴底に敷きます。

足底腱膜炎(足底筋膜炎)

足底筋膜炎は、足の裏の主に踵の部分の足底筋膜の炎症で中年の女性に比較的多く男性にも見られます。
足の裏の振動が体に伝わりにくいように、ここで衝撃を吸収していますが、逆にその力が足底筋膜や踵骨への付着部の炎症や疲労につながります。

治療には履きやすい靴を選ぶことが、まず大切です。
アーチサポートあるいはインソールを靴底に敷くのが効果的です。
湿布を貼ったり、痛みが強い場合にはステロイドホルモンの局所注射を行うこともあります。
ふだんから、足底筋膜をストレッチすることが大切です。

痛風発作

食べ物の中にあるプリン体が体内で代謝されて尿酸ができます。
痛風は、その尿酸の結晶が組織に沈着していろいろな症状をきたす病気です。

男性の患者さんがが女性よりも圧倒的に多いのですが、これは女性ホルモンに尿酸の排泄を促す効果があるためと言われています。
しかし、最近では中年以降の女性にも時々見られます。

足の親指の付け根に突然激痛と発赤と腫脹をきたすのが特徴ですが、足関節やアキレス腱、膝、外耳などさまざまな部位に発作が起こることもあります。

血中の尿酸値が高い人はまず暴飲暴食を控え、肥満があれば体重をコントロールするように努力しましょう。

痛風の治療薬は尿酸排泄型のものや尿酸生成抑制型のものがあります。
最近は日本で開発され、より安全で有効なフェブリクという薬剤も広がっています。
これらの薬を服用しながら生活を改善し、血液検査を適宜行って尿酸値をコントロールします。

痛風は比較的コントロールしやすい病気です。
しかし、長期に高尿酸血症を放置すると腎臓に尿酸結晶が沈着して腎不全を起こすこともあるので、痛みが出なくても薬の服用を続ける必要があります。

アキレス腱付着部症

「靴を履くと踵の後ろが痛い」「仰向けで寝ると踵が痛い」といった症状が多く、靴を履くことで摩擦が生じ悪循環となることも少なくありません。


アキレス腱は人の中で最も大きくて強い腱で、歩行やジャンプ動作のときに必要です。腱自体は筋肉の力をそのまま伝える組織で、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋とヒラメ筋)が足首付近でアキレス腱になり踵の骨に付着しています。


つまり、膝の後ろ~アキレス腱~踵の骨~足底腱膜は一つの連続した部位と考えることができ、ここのどこかに負荷がかかることでアキレス腱と踵の骨の付着しているところ(踵の後ろ)や足底腱膜と踵の骨の付着しているところ(踵の下)に炎症を生じます(足底腱膜炎)。


アキレス腱には血管組織がほとんどないため、一度炎症が起きてしまうとなかなか治りません。また、アキレス腱に頻回にステロイド注射をおこなうことは腱断裂のリスクが高くなるため、ストレッチや物理療法による保存療法での治療を行います。

モートン病

3趾(中指)の外側と4趾(くすり指)の内側の感覚がなくなり違和感がある」というのが初期の症状で、その日の行動や履いている靴により症状が出たり出なかったりします。歩けないわけではないので、そのうち良くなるだろうと放置しがちですが、悪化すると歩行時に鋭い痛みを自覚するようになります。

3趾と4趾の間だけではなく、他の趾間にも同様の症状が出現することもあります。

足裏の神経は内果(うちくるぶし)の下(足根管)を通った後に分岐しながら足底の皮膚側に枝を出し、趾の手前で更に分岐し趾先までの感覚を支配しています。


また足は構造上、母趾・2趾・3趾と4趾・5趾のふたつのグルーブに分かれています。骨格構造が崩れることで3趾と4趾の中足骨の間に最も歪みが生じてしまい、1歩1歩荷重がかかる度に3趾と4趾の間を通る神経にダメージが与えられます。この神経は趾の手前で分岐するため、支配領域である3趾の外側と4趾の内側に最も影響がでて強い痛みを生じます。

強い痛みがある場合、炎症を抑えるステロイドの注射をします。痛みは改善しますが、原因が骨格異常の場合は、インソール(足底装具)の作成や、手術が必要となる場合もあります。悪化する前に医療機関のを受診おすすめします。

ヒールの高い靴を常用していたり、足に合わない靴を履いていることなどによりモートン病を発症することもあります。このような場合は適切な靴を選び直す必要があります。

外脛骨障害(有痛性外脛骨)

「足の内側の出っ張った部分が痛い」という症状の病気です。くるぶし周辺に痛みが出て、腫れることもあります。


外脛骨は足の全体構造には寄与しない過剰骨で通常は存在せず、それがあっても特に痛みや腫れがなければ問題はありません。しかし大きな場合はそれだけで靴にあたるなどの症状がでて痛みを生じます。

外脛骨があると、足のアーチを引き上げるための後脛骨筋腱が舟状骨に付着せず外脛骨に付着しています。通常は問題ないのですが、足の構造が崩れているような方は、常に後脛骨筋が緊張し、アーチを引き上げようと働いています。このとき外脛骨は後脛骨筋腱とともに上に引っ張られ、舟状骨との間に炎症を生じてしまいます。

負荷をかけず、安静にすることで症状は治まりますが、外脛骨があると、炎症を繰り返す可能性がありますので、アーチが崩れないようにインソール(足底装具)を使用したり、扁平足のテーピングをするなどの予防が必要となります。

足根洞症候群

「立ったり歩いたりすると足の中の奥が痛いのだけれど、どこが痛いのか自分ではよく分からない」というのがこの病気の特徴です。


足根洞とは外果(そとくるぶし)のやや前方にあるへこみの奥の部分で、足根洞に炎症が生じると歩行時痛を自覚します。はじめは歩くと痛い程度なのですが、次第に悪化し歩くことが苦痛になる程痛みが強くなることもあります。


足根洞症候群とは足根洞内に何らかの原因があり、結果としてそこに炎症が生じているという病気の総称です。

治療としては、炎症を抑えるステロイドの注射をします。数回の注射で痛みが軽減することが多いです。

腓骨筋腱脱臼

「運動をすると外果(そとくるぶし)付近が痛い」というのが主な症状です。


腓骨筋腱という腱が、腓骨外果下部の通り道から脱臼したり、戻ったりを繰り返すことで、そこに炎症が生じます。このような症状がある方は腓骨外果下部にフェルトなどをあてテーピング固定をすることで脱臼がなくなり症状が軽減します。


重症な場合は手術により、腱の脱臼を起こさせないようにすることもあります。

三角骨障害

「つま先立ちをすると足の後ろが痛い、水泳のバタ足が痛い」という症状の病気です。足の関節のうしろ側やアキレス腱の部分に痛みが出て、水泳、バレエ、サッカーなどのスポーツをしている人が、運動中や運動後に痛みを感じることが多いです。


三角骨は10人に1人くらいの割合で存在する距骨の後ろあたりにある小さな骨で、足の全体構造には意味をなさない骨(過剰骨)です。


レントゲンでたまたま見つかることが多く、通常は無症状で経過する為、三角骨があったとしても特に問題はありません。しかし、バレエや水泳選手など、過度に足首を伸ばすような動作(足関節底屈)を行なう方は三角骨に炎症を起こすことがあります。悪化すると、足首が腫れ、痛みが足全体に生じることもあります。

痛みが強く、腫れている場合は、足関節の中に水が溜まっていることもあります。炎症を抑えるステロイドなどの注射をし、腫れや炎症が治るまで負荷がかからない程度にスポーツを制限する必要があります。

炎症を繰り返す場合は摘出手術を選択する場合があります。

足根管症候群

「足の裏全体が痺れて違和感がある」もしくは「ビリビリ痛くて足を地面に着けない」という症状を訴えて受診されることが多いです。

足根管症候群とは、足根管内になにか原因があって足の裏に痺れの症状がでるという病気の総称です。

足底〜趾先を支配する神経は「足根管」と呼ばれる内果(うちくるぶし)の下のトンネルを通ります。足根管は内側には足の骨、外側には強固な靭帯組織で囲まれており、ここに炎症や腫瘍などが発生すると、腫れた圧力の逃げ道がなく神経が圧迫をうけてしまうことで、痺れや痛みを引き起こします。

原因は足根管内のガングリオンや腫瘍、扁平足による神経の圧迫などが多いのですが、足首の捻挫や骨折などの外傷が原因で生じることもあります。

激しい痛みを訴える方は距骨下関節が長期に炎症を起こし、そこから骨棘が足根管内に発生し神経を圧迫していることがあります。

足根管症候群の原因が腫瘍や足の変形などであれば、手術を検討します。

 

 

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